8大接客用語

いらっしゃいませ。

1番の基本となる用語。

おめでとうございます。

1番の基本となる用語。

(はい)かしこまりました。

お客様に何かを頼まれたときなど。

少々お待ちくださいませ。

お客様にお待ちいただかなければならないとき。

お待たせいたしました。

わずかな時間でもお客様にお待ちいただくとき。

失礼致します。

サービスをするとき。お客様に注意を促す言葉。

申し訳ございません。

不注意によりお客様にご迷惑をかけたとき心からお詫びする。

恐れ入りますが。

お客様に何かをお願いするときや手を貸していただいたときなど。

ありがとうございます。

お客様のご利用を感謝するときなど。

接客用語

名詞+の+ほう(方)

「〜の方」は(1)方向・方角が原義である。そこから転じて、(2)話題のものをぼかしてその部面のものと言う用法や、(3)いくつか考えられるもののうちの1つという用法が生じた。原義に近い順に記載する広辞苑では、(2)のぼかす用法を(3)より先に挙げている。ぼかすための「〜のほう」がバイト敬語とされることがある。

ガムシロップのほうはお付けしますか?

グラスのほうはいくつお持ちしますか?

お席のほうにご案内します。

上記の例は、いずれも「のほう」を取り除いても意味が通じる。「グラスのほう」は、その前に酒なり飲み物が選択されていれば、飲み物に対してもう一方のという意味に解釈することもできるが、「グラス」をぼかすために使うほうが原義に近い用法である。「お席の方にご案内します」として席の方向を指し示すのも間違いではないが、単に席に連れて行くという意味で使うのも間違いではない。「ガムシロップのほうは〜」は「ガムシロップはお付けしますか?」で通じる。

ぼかすための「のほう」自体は辞書にも載っているし、下記のように戦前にも使われている。接客用語として適当かは別として、日本語としては特段新しいものではない。

私は又、病院の方へも御無沙汰してゐたものですから、もう大抵、よくなられた事だとばかり、思つてゐました――すると、何時になりますかな、なくなられたのは。(大正五年、芥川龍之介『手巾』)

汽罐の方はそりゃ、私あ、十五六の時から、鉄道の方の、機関庫にいまして、最近までずうっと機関手をやって来ていますから。(昭和6年、佐左木俊郎『喫煙癖』)

文學のはうではアンドレ・ジツドとトオマス・マンが好きです、と言つてから淋しさうに右手の親指の爪を噛んだ。(昭和10年、太宰治『ダス・ゲマイネ』)

名詞/金額+になります

結果としてそうなったという客観性を強調し、行為者の主体性をぼかす表現。自分には責任はないという意味合いや、自分がやったわけではないという姿勢を示す。

「になります」という表現自体は昔からある。用法は、(1)「何かから何かになる」という変化や帰結の意味、「例. 春になる、医者になる、二十歳になる」(2)元の意味を失ってほとんど「です」と同義のものである。

以下の例がバイト敬語とされる。(2)の用法についてのみバイト敬語とされる場合もあれば、(1)を含めて言う場合もある。 接客場面では「〜でございます」を使うのが正しい。

(1)原義を残した用例:

(レジの計算結果が)525円になります。

(2)原義を失った用例:バイト敬語

お待たせしました、エビドリアになります。

メニューになります。(2007年にイオンCM中での使用が指摘され、ございますにその後訂正されている)

禁煙席になります。

お買い得となります/〜となっています。

こちらになります。

ただし、何かから何かに「なる」わけでない、「です」や「でございます」と同義の「になります」自体は下記のように明治・大正時代にも見られる。接客用語として適当かは別として、日本語としては特段新しいものではない。

それで自他共に不愉快を感ぜずにすむところが私のいわゆる評価率の変化という意味になります。(明治四十四年、夏目漱石『文芸と道徳』)

此の史といふ字には支那では二樣の意義を持つ事になります、一は歴史の書籍の方の意義で、一は歴史を掌る官吏、即ち史官の事になります(大正四年、内藤湖南『支那に於ける史の起源』。ひとつめは「意義を持ちます」、ふたつめは「史官の事であります」で問題ない。)

私は又、病院の方へも御無沙汰してゐたものですから、もう大抵、よくなられた事だとばかり、思つてゐました――すると、何時になりますかな、なくなられたのは。(大正五年、芥川龍之介『手巾』)

金額+から

会計時に金銭を受け取る際、「○円(を)お預かりします」ではなく「○円からお預かりします」と言う。

1万円からお預かりします。

備考:ここでの「お預かりします」も誤用である。正しくは「頂戴します」。

格助詞「から」は「〜から〜まで」のように起点を表す場合や、「〜だから」のように理由を表す用法が一般的だが、それとは別に準体助詞としての用法がある。これは様々な語につけて体言化するという用法で、例えば『この魚はゆうに10キロからの重さがある』というような言い方があり、『やると言ったからには、あきらめるな』の「から」もこの準体助詞に相当する。

金額を体言化する目的と、金銭の授受というシビアな状況に関して、明言しないことが敬意を表せるという意識から使われていると思われる。

また、金額が端数になったとき、まず札を出して、その後に小銭を出そうとする客も多い。その際に「1万円お預かりします」だと断定的になり、「まだだ、ちょっと待ってくれ」と不快感を与えてしまいかねない。そこで「から」をつけて断定的になるのをぼかし、「小銭は出しますか?札だけでいいですか?」という意味を込め、不快感を与えまいとする意識が働いているようだ。消費税が導入されて以降この表現が増えてきたことからもそう考えられる。「”お客の出した金額” から”代金と消費税”を ”店長・オーナーに代わって”アルバイト店員が預かる」という意識が働いている可能性もある。

1万円からでよろしいですか?

もよく聞かれる。

945円ちょうどからお預かりします。

のように、ちょうどの金額までつけられてしまうこともある。 (参考: 以前は「○円いただきます」という表現も普通であった。ほとんど使われなくなり、違和感がある表現になってしまっている。)

お預かりします(精算時)

最近特に多く見られる言葉で、お金を受け取る際「○円(を)お預かりします」と言う。正しくは「○円(を)頂戴します」である。客からお金を一時預かりそこからお釣り(お金)を返すと言うのが使われる理由である。

次のような笑い話がある。

客:これください。

店員:1000円になります。

客:はい(1000円出す)。

店員:1000円お預かりします。

客:いつ返してくれるんだい?

よろしかったでしょうか

初めてたずねることでも、あたかも再度たずねるかのように、過去形で表現する。これは忙しさで混乱してうっかりもう1度たずねてしまったり、既に別の店員が聞いていたりすることがあるために、このように言うのではないかとされるという見方がある。また、「(もっといいサービスも可能・要望すれば可能なオプションもあるが)この程度でよかったか」という問いかけを行い、客に要望を出しやすくさせる、要望を吐き出させるタイミングを与えるという良心的な誘導尋問であるという意見もある。一方で、北海道から全国展開した居酒屋チェーンの接客マニュアルに由来したとする説も有力である。北海道方言には、「これで間違いなかったかい(これで間違いないですか)」のように、過去形をとることで断定的になるのを避けてぼかす表現があり、接客業では、この表現が「おかしな用法」として話題になる前から普通に用いられていた。西暦2000年前後から東京地方でも使われ始めたことから、その頃から全国的に広まっていったようだ(ただし愛知でも同様の表現が昔から使われており、必ずしも北海道から広まったとは断言できない)。前述の「のほう」とセットで使われることも多い。

お箸は1膳でよろしかったでしょうか。

1万円からでよろしかったでしょうか。

(ガソリンスタンドにて)窓のほうは拭いてよろしかったでしょうか。

デザートのほうはよろしかったでしょうか。(デザートはいりませんか)

いらっしゃいませこんにちは

「いらっしゃいませ」だけではなく「こんにちは」とか「こんばんは」と挨拶の言葉をつけるのは、デニーズなどアメリカ由来のファミリーレストランのマニュアルに因るところが大きい。英語には「いらっしゃいませ」に相当する言葉がなく、アメリカでは店員が客にフレンドリーに挨拶することが、基本的な接客態度とされている。それがファミリーレストランチェーンなどで文書としてマニュアル化したことで、日本にチェーンを展開する際にそのマニュアルが和訳され、挨拶の項も採用されたと言われている。

その挨拶も、何度も言われているうちに「いらっしゃいませこんにちはー」「いらっしゃいませこんばんはー」と1語のようにつなげて発音されるようになり、言い方もマニュアル的になってきている。日本では「いらっしゃいませ」で十分であるから、挨拶は余計であるという意見もある。

同様のマニュアル的表現として「ありがとうございますまたお越しくださいませー」というのもある。

一部ではこのような現状に対して他社との差別化のため、「こんにちは(こんばんは)、ご来店ありがとうございまーす」と発声させているところがある。

お召し上がりでよろしいでしょうか?

ファーストフード店などで、具体的な料理の注文の前に、よく使われる。 「店内で食事」するのか、「持ち帰り」なのかの確認のためと思われるが、食べ物をお客様が召し上がるのは当たり前なので、質問としておかしい。例を挙げると「店内でお召し上がりでよろしいでしょうか」などと聞くべきである。 ただし「席空いてますか?」と客が質問すると「分かりません」と平気で言い返す店もある。

お待ちいただく形になります

「〜する形になる」という表現自体は昔からあるものである。

客を待たせる必要がある際に、

少々お待ちいただく形になりますが、よろしいですか?

混んだレストランなどで、待ち時間を伝える場面で、

ただ今(ですと)30分ほどお待ちいただく形になります。

のように使われる。接客に不慣れな者が、「待たせる」という客にとって不都合な事情を伝える際に、「お待ちいただくことになります」や「お待ちいただいております」のように明言することをためらい、重大事を伝えるような表現を選んでしまったためと考えられる。これに慣れると、「お待ちいただいております」などは直接的すぎて不快に感じる客も出てくる可能性もある。

お次のお客様

「お客様」や「お品物」のように名詞に「お(御)」をつけて、丁寧・上品に表現するのは適切に使用されれば全く問題ないが、この例は、「お」の過剰使用だという考え方がある。

お次のお客様こちらのレジへどうぞ。

ご注文は以上で、おあとよろしかったでしょうか?

また、レジスターにいる店員が列に並んでいる客に対して、「二番目にお待ちのお客様」と誤用する場面もある。

お返しになります

レシートのお返しになります。

釣銭ならば実際に、その金額の分のお金を「返して貰う」ものなので問題ないが、レシートは客が新たに「貰う」ものなので、不自然さがある。しかしながら、「返す」には、「相手が何らかの働きかけをしてきた場合に、等しい価値を持つ働きかけをする」という意味があり、その意味でとらえれば正しいとする人もいる。

また、釣銭がある場合は「○○円のお返しになります」、釣銭がなくレシートだけの場合は「レシートでございます」のように語尾が異なるのを避けるために、「お返しになります」で統一しているとも考えられる(両方ある場合に「釣銭とレシートのお返しになります」と言う店舗もある)。

さらに、上記「名詞+の+ほう(方)」との混用で、

「レシートのほう、お返しになります」

という表現がなされることも見受けられる。

この文では「私が」という主語が省略されているが、これでは敬意の対象が「私」となってしまい(「お〜になる」という尊敬語)、返す側が上位の立場となる用法となってしまうので、「バイト敬語」という範疇にとどまらず、「日本語の誤用」に近い用法であろう。

いずれにしろ、正しいのは「レシートでございます」である。

お召し上がりですか

お召し上がりですか?

ファーストフード店などで、店内で食事をするかをどうか問う場合に用いられる。もちろん食品は多くの場合食する以外には用いないので「店内で」などを付けないと意味をなさない。 対となる「お持ち帰りですか?」と同様、「お召し上がり」「お持ち帰り」と名詞として扱う点に特徴がある。

温めますか

温めますか?

コンビニエンス・ストアなどで会計時に、食品を加熱するサービスが必要かを訪ねる際に用いられる。 語尾が敬語として不適切なため、主語を誤って解釈される可能性が高い。「温めましょうか」などのような語尾をとらないと、「あなたは今後、温める予定がありますか?(そうであれば加熱に関する注意があります)」と受け取られる可能性が高い。

温められますか?

上記の敬語使用版と考えられる。「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の認識不足から発生している事も間違いなさそうだ。言葉通りに受け取ると、「あなたは、この店のレンジを使って温めていくお積りですか?」と年配者にはウケが良くない。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』